「……Dを倒す、だと?」
中田の表情が更に険しく歪む。
怒りと驚愕。
険しい表情からはそれが滲み出ていた。
かくいうあたしも貴兄の言葉に驚きを隠せずにいる。
予期せぬ展開に頭がついていかない。
ちょっと待って。本当に分からなくなってきた。
貴兄は中田と手を組んでたんじゃないの?
鳳皇を潰そうとしてるんじゃないの?
……一体、どういうこと?
「そうだ。俺の目的は最初からDを潰すこと」
そう言った貴兄は中田から視線を外し、準備体操をするかのように身体を動かしている皆に目を向けた。
そして……。
「──お前等、“本番だ”。行け」
倉庫の出入口を指差し、そう命じた。
貴兄の言葉で一斉に走り出す獅鷹の人達。
出入口にいた男の子はみんなを誘導するかのように一番先に出ていった。
あっという間に倉庫内にいる人間が減り、残りは鳳皇、そして中田側の人間だけ。
「だから言っただろう?負けるのは鳳皇ではないと」
呆然と出入口を見ている中田に煌が容赦なくそう吐き捨てる。
「……あれだけの人数で何が出来る?」
まだ微かに余裕が残っているのか、悔しそうに唇を噛みながらも煌にそう言い放つ中田。
そんな中田にトドメを刺したのはこの人。
「──お前等、立て」
鳳皇八代目総長、桐谷十夜だった。


