「決着ってもしかして……」
地面に爪先がついたのと同時にそう呟くと、応えを求めるように貴兄を見上げた。
……貴、兄?
貴兄の口元には小さな笑み。
その笑みには確かな余裕が感じられ、言葉通り“終わり”を告げているような気がした。
なに?何かあるの?
そう言えば、さっき中田が誰かを呼んでいた。
それが何か関係してるの?
貴兄の意味深な発言に不安と焦りが胸中で渦巻く。
「そうだ。もう決着はついたんだよ。もうすぐDが此処へ来る。鳳皇は終わりだ」
背後から聞こえたその声に振り返ると、中田がクククと不気味に笑いながら立ち上がっているのが見えた。
パンパンと大袈裟に服を払って見せる中田。
その仕種はまるであたしに余裕を見せつけているかのように感じた。
「……鳳皇が終わり?
いや、終わるのはお前の方だよ、中田」
突然聞こえてきたのは煌の声。
その声に振り向くと、いつの間に移動していたのだろうか。
十夜の隣には煌の姿があった。
こちらを見据える煌のその表情には中田と同様、余裕が窺える。
“終わるのはお前の方だよ、中田”
今の言葉は一体どういうこと……?
「……ハッ。何を言うのかと思えば、負け惜しみもいいとこだな」
「………」
「いいか、よく聞け。お前等鳳皇は此処で負けるんだ!俺等にな!」
中田は煌の言葉を負け犬の遠吠えぐらいにしか思ってないのか、そう馬鹿にしたように吐き捨てると狂ったように笑い出した。
中田の勝ち誇ったかのような笑い声が倉庫内に高らかに響き渡る。
それを誰も止めようとはせず、ただ笑い続ける中田を無表情で見ているだけ。


