Ri.Night Ⅳ



「──お前がこれからすることは“裏切り”だ」



中田の言葉が迷う心に容赦なく突き刺さる。


まるであたしの心の内を見透かされているような感覚。


中田の言葉はあたしの心を激しく揺さぶった。


鳳皇と喧嘩をして欲しくない。


けど、止めればまた貴兄に哀しい想いをさせてしまう。


いや、貴兄だけじゃない。


優音も……それからあたしの為に抗争をしてくれようとしている皆にもだ。



……どうしたら、

どうしたらいいの……?


あたしはこれからどうしたら──




「凛音。中田の上から退けろ」


「………っ」



……貴、兄?


声がした方へ振り向くと、数メートル先に貴兄の姿があった。


そして、貴兄の隣には部屋に閉じ込めた筈の慎の姿も。



慎、いつの間に……。


誰かに助けて貰ったの?


貴兄と慎、その二人を先頭に、十夜、そして鳳皇と獅鷹の両幹部が揃って此方へと歩いてくる。


三メートル程の所で慎が立ち止まり、続けて十夜、両幹部が立ち止まった。


だが、貴兄は立ち止まらず此方へ歩いてくる。



「凛音、もう終わったんだ」



そう言いながら歩いてくる貴兄。


……“終わった”って?


言葉にならない疑問。


戸惑いが一気に押し寄せてくる。



「決着はついた。終わりだ」



貴兄はそう言うと、あたしの両脇に手を入れ、軽々と持ち上げた。


中田の首から手が離れ、身体が宙に浮く。