Ri.Night Ⅳ



「──っ!」



驚きのあまりグっと息を詰まらせる中田。


だが、中田も人の上に立つ者。


背後から感じる気配に直ぐ様振り返った。



『遅い』



けど、それよりも背後にいる人物の方が遥かに速かった。


振り返ろうとする中田の後頭部を鷲掴みにし、その動きを止める。

そして、思いっきり足を払った。



「クッ!」


グラリ、と中田の身体が右方へと傾く。


このままいけば勝手に倒れる。


それなのに、中田を襲った人物は鷲掴みにしていた後頭部を払うように押し、確実に仕留めた。


それはまるで、仕留めた獲物にトドメを刺すかのように。


言葉を発してから中田が地面へと沈むまでは、まさに一瞬と呼べる程の時間だった。


やられた本人は今何をされたのかきっと理解出来ていないだろう。


しかし、これだけでは終わらないのがこの人物の怖いところ。


地面へと叩きつけた中田の上へ荒々しく馬乗りになり、右手でその首を絞める。


息つく暇さえ与えないその行動に、周りの人間は目を見開き唖然としていた。




「……っ、お前、凛音?」



この時、中田は初めて背後にいた男が“凛音”だという事に気が付いた。


いや、中田だけではない。


その場にいた全員が中田の言葉によって“凛音”だと気付いたのだ。