Ri.Night Ⅳ



だが、それは下の人間にだけ言える事で。


鳳皇、獅鷹の両幹部はまだ誰一人として倒れてはいなかった。


疲れは窺えるものの、その表情にはまだ笑みが浮かべられている。


貴音にとったら幹部はどうでも良かった。


下の人間さえ倒れてくれれば良かったのだ。


貴音の目的は“数を減らす事”だったのだから。




貴音は笑みを浮かべたまま振り返った。


視線の先には中田。


中田はさっきの位置から移動してはおらず、ポケットに手を突っ込み余裕の表情で二人を見ていた。


貴音の笑みに中田の表情がさらに喜々とする。


貴音は敢えて何も言わなかった。


いや、言う必要がなかったのだ。


この状況は全て計算の内。


“この状況”こそが中田と貴音のシナリオだったのだから。


シナリオ通りに進んだのだから笑みが零れるのは当たり前。


ここまで来ればあとはこの闘いの幕を下ろすだけだ。


そう、幕を下ろすのは“貴音”。


貴音のシナリオがこの闘いに決着をつける。



「──呼べ」



その言葉と共に最終ステージが開かれた。