「ゆう、と……」
グッと唾を飲み込み、唇を強く噛み締めながら首を左右に激しく振る。
それでも優音は頷いてくれない。
……っ、なんでっ!?
なんでそんな事言うの!?
あたしは──!
「待っ……!」
男達が優音の腕を引き、ビルの中へ連れ込もうとした。
優音は黙ってそれに従い、ついていこうと歩き始める。
ゆうとっ!!
唇が異様なぐらい震え、呼吸が激しく乱れる。
けど、どうしても声に出して呼び止める事が出来なかった。
頭の隅では解っていたからだ。
このまま立ち去り、助けを求める事が一番の良策だという事が。
でも。それでも。
あたしには納得する事が出来なかった。
優音を見捨てて逃げるという事に感情がついていかなかった。
「……っ、」
優音の後ろ姿が段々と遠ざかっていく。
優音、優音優音優音っ……!!
声が出るのは心の中ばかり。
……嫌だ。嫌だよ優音!!
優音の名を何度も叫ぶけど、優音は一度も振り返る事はなかった。
Ri.Night Ⅴ ~final~に続く...
4巻あとがき→


