今、あたし達がいる場所。
それは驚く事に家から目と鼻の先にある繁華街だった。
と言っても中心地から少し離れた所だけれど。
繁華街全体を把握してる訳ではないからハッキリとは言えないけど、此処は雷さんのお店から正反対の場所にあると思われる。
まさかこんな身近な所に奴等のアジトがあるだなんて思いもしなかった。
まさに、灯台下暗し、だ。
「灯台下暗しだな」
「……え?」
「そうだろ?まさかこんな所にアジトを構えていたなんて思いもしなかったしな」
「………」
どうやら優音も同じ事を思っていたらしい。
いや、あたし達だけじゃない。きっと十夜達も、だ。
現に、十夜と貴兄は奴等の前のアジトを見張らせていると言っていた。
三箇所ともこの繁華街から離れているらしく、まさに繁華街は想定外の場所。
こんな鳳皇メンバーが頻繁に出歩いている繁華街に奴等のアジトがあるだなんて誰も思わないだろう。
あたし達は完全に裏をかかれていたという事になる。
「優音、どうしたらいいと思う?」
「お前は?」
「あたし?あたしは……」
質問を質問で返され、何も答えられなかった。
正直、どうすればいいのか分からない。
今、鳳皇と獅鷹を呼んで襲撃すれば“D”を潰せるかもしれない。
けど、何の策もなくただ闇雲に突っ込んでいっていいものなのかが分からなかった。
此処にカイという男がいる事は間違いない。
けど、キョウともう一人、あの倉庫にいたトップらしき男が此処にいるかどうかが分からない。
揃っていると分かれば何の躊躇いもなく十夜と貴兄を呼べるのに。


