「……俺、望みねぇのかもな」

「ちょ……優音!?」


ポツリとそう言い捨てた優音はドサッとソファーへ身を投げると、置いてあった長方形型のクッションをギュッと強く抱き締めた。


……か、可愛い。可愛すぎる。


背凭れへ顔を寄せ、クッションを抱き締めながらいじける優音が可愛いすぎて思わず一人で悶えてしまった。


……じゃなくて!この状況をあたしにどうしろって言うの!?


っていうかおかしくない!?おかしいよね!?


さっきの流れで言うと普通あたしが慰められる側じゃない!?


なんであたしが優音を慰めるの!?



「ねぇ、優音?」


「……何だよ」


「あー……」


掛ける言葉が見つからない。


だってあたしが“リン”だし。


あたしに慰められても、ねぇ……?



「俺、諦めよっかなぁ……」

「………」


あー、もうっ!



「優!何もしない内に諦めるとか男らしくない!容姿が似てる!?上等じゃない!嫌いって言われるよりも全然良いし!

っていうか、外見よりも中身で勝負でしょ!?優音はそこら辺の男よりよっぽどいい男なんだからもっと自分に自身持ちなよ!妃奈がリンを好きだって言うんなら、それ以上に好きになって貰えばいいじゃない!恋は自分で勝ち取らなきゃ意味ないでしょっ!

大丈夫!優音なら振り向かせられる!!」


「………」


「はぁー、はぁー、はぁー」



つ、疲れた。一気に喋りすぎた。

息切れが半端無い。