Ri.Night Ⅳ


今走っている所は、屋根と言うより屋上と言った方がしっくりくる。


屋根と言えば瓦で出来ていたり斜面になっていたりするけど、この工場は平坦な上コンクリート造りで、工場と言うよりビルに近かった。


さらに言うとこの屋根……屋上は柵がない。


まぁ、だから飛び移る事が出来た訳なんだけど。




走っていると、前方にコンクリートの壁が見えてきた。


どうやらここから先は二階があるらしい。


だけど、窓らしきものは何処にもなく、変にソコだけ突き出していた。


うん。超不自然。




取り敢えず進まなきゃと思い、壁に手を添えながら歩いていく。


次第に見えてきたのはこの壁の終着点。


それを何の躊躇いもなく左に曲がった。


曲がった瞬間、視界に入ってきたのは一本のはしご。


まるで登れと言わんばかりに取り付けられている。


「ぃよっと」


そりゃこんなの見たら登るよね。


なんせあたし好奇心旺盛だし。


って言うか、あたしの第六感が告げているのよ。


このはしごを登るとゴールが近いっていうことをね。


女の勘程鋭いモノはない!


という訳で、取り敢えず登ろう。