Ri.Night Ⅳ


「まさかあの男の人達がお金で動いていたなんて……」


そこまで言って何故か徐に首を捻った遥香さん。


その表情は何かを思い出しているかのような表情で、あたしもつられて首を傾げた。


「遥香ちゃん、どうかした?」


壱さんも遥香さんの表情が気になったのか、眉を寄せ、不思議そうにそう問い掛けた。


他の皆も遥香さんを見て顔を顰めている。


皆からの視線を一身に受けた遥香さんは何かを思い出したのか、「あっ!」と小さく声を上げたかと思うと、勢いよく顔を上げ、何故かあたしの方へと振り向いた。


そして。


「凛音ちゃん、あの時、あの男の人“お前敵だったのか?”って言わなかった?」


遥香さんは真剣な表情でそう問い掛けてきた。


「……“あの時”?“あの男の人”?」


何?何の事を言ってるの?


遥香さんの言ってる事が全く分からず、首を傾げる事しか出来ない。


「“あの時”だよ!ホラ、繁華街で凛音ちゃ……ううん、リンくんが助けてくれた時」


それって……。


「……昨日、ですか?」


「うん、そう。リンくんが助けに来てくれて、金髪の男の人にそう言われてた。

確かリンくんあの時“仲間だとは言ってない”的な事言ってたような……」


「……あ」


そうだ。思い出した。アイツだ。


遥香さんが何処にいるのか分からなくて、その居場所を聞いた男。


その男が……?



「私、あの男の人が“敵だったのか?”って言ってたから、追い掛けてた人達はてっきり何処かのチームの人かと思ってたの」


「……っ、」


……あ。