「十夜、遥を此処で匿った方がいいと思う」
「………」
「昨日のゲーム、そして今日。遥が関係無いとは言えなくなった」
「ちょ、ちょっと待って。煌、昨日のゲームって一体何の事?」
煌の言葉に顔を顰め、身を乗り出しながらそう問い掛ける遥香さん。
……そうだ。“ゲーム”の事が発覚したのは昨日の晩だ。
遥香さんが知らないのは当然のこと。
充くんは知ってたけど、これ以上怖がらせたくないと思って言わなかったのだろう。
「……昨日遥が襲われたのは“あるゲーム”のせいだったんだ」
煌は言いにくそうにそう言った後、あたしに説明したようにあのゲームの内容を遥香さんに話した。
「そんな……」
全ての説明を聞き終えた遥香さんはテーブルを呆然と見つめ、そう小さく呟いた。
聞いた内容が信じられないのだろう。
テーブルを見つめるその瞳が小刻みに揺れ、唇が少し震えている。
遥香さんが混乱するのは当然だ。
あたしでも信じられなかったのにターゲットにされた遥香さんが平静でいられる訳がない。
それに、今日の事もある。
“ゲーム”の次の日に襲われたという事はまた襲われる可能性が高いという事だ。
尚更平静でなんていられないだろう。


