Ri.Night Ⅳ


男達の絶叫を背に、あたしは大きく足を開脚し、地面を蹴り上げた。


ふわりと宙を浮く身体。


よし!いける!


浮いた瞬間、あたしは確かな手応えを感じた。



「マジかよ!?アイツ跳びやがった!!」

「信じらんねぇ!!」


爪先が地面に触れ、身体全体が安堵に包まれる。


足が両方とも地面へ着地すると、前屈みになった上体を起こし、後ろを振り返った。


視線の先には、木々に囲まれてあんぐりとだらしなく口を開けている男達。


男達は半分放心状態。


そんな男達にどうだと言わんばかりにニカッと笑い、ピースして見せた。



「跳べるモンなら跳んでみろー!」


「なっ……!!」


挑発する様に両手を頬の前で閉じたり開いたりしてみせる。


ついでに舌を出してあっかんべーも忘れずに。


「テッメェー!!」

「直ぐそっちまで行ってやるよ!!」


案の定、顔を真っ赤にさせた男達は悔しそうに唇を噛みしめ、奇声を上げている。


あたしと同じ様に屋根へ跳び移ろうとしているのか、男達は崖下を恐る恐る見下ろしていた。


だけど、やはりコワいのか、顔を歪ませて互いに顔を見合わせている男達。


フンッ。ホントビビりばかりだよね。

喧嘩するくせに高いとこは駄目なんて。


もっと根性鍛え直してこい!