「あ、優音、荷物取りに行ってくれてありがとね」
『あぁ。また持って行く』
「ありがと。でも次逢った時でいいから。それと、妃奈、駅まで……」
『送っておいた』
「……可愛いかったでしょ?」
『は?』
「だーかーら、今日の妃奈が!」
『………』
「ふふっ。優音かーわいっ」
そんな照れなくてもいいのに。
っていうか否定せずに無言って、ホーント優音って馬鹿正直だよね。
まぁそんな所が可愛いんだけど。
あー、優音に無性にイイコイイコしたくなっちゃった。
「優音──」
『可愛いとか言うな』
やっと喋ったかと思えば何とも可愛いらしい台詞が飛び出してきて、思わずプッと吹き出してしまう。
「言わないよ~」
『……笑うな馬鹿凛音』
「ごめんごめん」
拗ね口調になった優音はやっぱり可愛いとしか思えなくて。
きっと電話の向こうで口を尖らせながら不貞腐れているんだろうな。
「……優音、逢いたい」
『凛音……?』
気付けばそう零していて。
それは紛れもなく自分の願いだった。
……逢いたい。
優音に逢いたい。
逢って、いつもみたいにぎゅって抱き締めて欲しい。
そうしたら、この気持ちもきっと落ち着いて、冷静に考えられそうな気がする。
だから──
『凛音、何かあったのか?』
「……え?な、なんで?」
優音の鋭い一言にピクッと跳ねた両肩。
『何かあったんだろ?』
「なんで……」
……なんで分かったの?
あたしまだ何も言ってないのに。


