Ri.Night Ⅳ


けれど、一つだけ分かった事がある。


それは十夜が遥香さんの事を嫌いになって別れた訳ではないという事。


二人の間に亀裂が入ったのだったらまだ分かる。


けれど、遥香さんの為に別れたのだとしたら、十夜の心の中にまだ遥香さんへの想いが残っていてもおかしくはない。



遥香さんと別れたのは一年前の夏。


あたしと出逢ったのはそれから半年後の春。


たった半年で遥香さんの事を忘れられる?

想いが消える?


あたしだったら直ぐには忘れられない。


“好き”という想いはそんな簡単に忘れられるものじゃないと思うから。



両想いのまま別れた二人。


未練が残るのは当然の事。


その二人が再会した時、消えかけた想いが蘇るのも、また仕方無い事だと思う。


あたしは、どうしたらいい……?



あたしは十夜が好きだ。

過去の事ですらこんなにも気にしてしまう程に。



離れたくない。

離れたくなんかない。


けど、充くんの話を聞いて、あたしはこれからどうすればいいのか余計に分からなくなった。


十夜に聞いてみる?


そうしたら必ず答えは帰ってくる。


けど、それがあたしにとって良いのか悪いのか分からない。


最悪、別れる事だって有り得る。



そんなの嫌だ。


別れたくない。十夜の傍にいたいよ。


……じゃあ、何も聞かずにこのままの状態でいる?


十夜の気持ちも聞かず、モヤモヤとしたこの状態のままで十夜の傍にいる?


自分の気持ちを押し殺して。

我慢して。

笑って。



でも。

それで十夜の傍にいられるのならあたしは──



「……さ……、凛音さん……!」