Ri.Night Ⅳ


そこまで言って充くんはまた口を噤んだ。


一体十夜の怪我に何が……って、あ。


思い出した。

って言うか何故忘れていたのだろう。



十夜の怪我。

それは獅鷹に負わされたものだ。


獅鷹と鳳皇が喧嘩をした時に負った傷。


充くんが言い辛そうにしていたのはその所為。


まさか獅鷹が負わせた怪我の所為で遥香さんの留学が遅れていたなんて……。


「……なんで、夏休みギリギリに変更したの?」


十夜が心配だったから?


「………」

「充くん?」

「……桐谷さんの看病をする為、です」

「……っ、」


看病?

遥香さんが?

遥香さんが怪我の看病をするの……?



「桐谷さんは大丈夫だと言ったんですが、遥香さんは頑として聞かなかった」

「………」

「だから留学をギリギリまで遅らせたんです。遥香さんは退院してからも看病すると言ったらしいんですけど、桐谷さんはそれを許さなかった」

「………」

「だから桐谷さんは別れを告げたんです」

「……えっ?」


今、なんて言った?


「十夜から別れるって言ったの!?」


「はい。遥香さんにそう聞きました」


嘘……まさか十夜から言っただなんて……。


だからと言って遥香さんから言ったとも思わなかったけれど。


だって、遥香さんは十夜の事が好きだから。


これはあたしが勝手にそう思っているだけだけど。


十夜はなんで別れるって言ったの……?