危険が付きまとうから公表しなかった?
危険な目に合わせたくないから鳳皇に入れなかった?
十夜はそれほどまでに……。
「遥香さんを大事にしていた」
「凛音さん……」
「……そういう事だよね?」
「……はい」
あたしの問い掛けに少し遠慮気味に頷いた充くんは、そのまま足元へ視線を下げた。
それはまるであたしの視線から逃れるように。
十夜は遥香さんが大事だったから鳳皇に入れなかった。
遥香さんを護る為に公表しなかった。
公表していないのに護衛をつけた。
全ては、遥香さんの為。
遥香さんを愛していたから。
「──だから今回も鳳皇に入れなかった」
「それはっ……!」
声を荒らげた充くんを制するように首を横に振る。
「……っ、」
そういう事だよ、充くん。
じゃなきゃこの状況で護衛だけなんて有り得ない。
有り得ないんだよ。
……ねぇ、
そうだよね?十夜。
「……何で二人は別れたの?」
そんなに好きだったのに、なんで……。
危険な目に合わせたくないから?
否、それなら初めから付き合ったりはしないだろう。
じゃあ、一体……。
「別れた理由は俺も知らないんです」
え?
「知らない、の……?」
「はい。……俺、元鳳皇って言いましたっけ?」
「あー、えっと……遥香さんが言ってたような……」
うん。確かに雷さんのお店の前で言ってた。
“充くんは元鳳皇で私の護衛をしてくれてたの”って。


