知らない方がいい事もある。
二人はもう別れてるんだ。
今更根掘り葉掘り聞き出す必要はない。
けれど、知ってしまうと更に深く知りたいと思うのは何故なのだろう。
知ったところでどうにかなる訳でもない。
知ればもっと傷付くかもしれない。
けど。
それでも。
知りたいんだ。
真実を。別れた理由を。
どうしても知りたい。
そう思うあたしは馬鹿なのだろうか。
十夜はあたしを好きだと言ってくれた。
それは決して嘘なんかではないと思う。
でも、もし心の奥底で遥香さんへの想いが残っていたとしたら。
それがあたしへの想いの道標になっていたとしたら。
十夜はあたしに遥香さんを重ねていたという事になるのだろうか。
十夜は本当に“あたし”の事が好き?
遥香さんとの事を知る前は自信を持ってイエスと言えた。
確かに愛されていると感じていたから。
大事にされていると身をもって感じていたから。
けど、今は正直分からない。
頭の中が混乱して、悪い方にばかり考えてしまう。
十夜の気持ちを疑うなんてあたしは最低なのかもしれない。
ううん、最低だ。
これじゃあ十夜を信用していないと言っているようなもの。
ホント、最低。
でも、本当に分からないんだ。
十夜の気持ちが分からない。
十夜を信じたい。
信じたい、けど、不安なんだ。
どうしようもなく。
一度は好きになった人。
もしかしたらまた好きになるかもしれない。
そう考えるだけで胸が苦しくなる。
泣きたくなる。
信じたいのに信じられない。
それがどうしようもなく辛くて。
信じられない自分にも不安になる自分にも嫌気がさした。


