「凛音さ──」
「俺超ビックリしたし。顔はそんなに似てないけど姿格好がマジそっくり」
──やめて。
「桐谷さん、ロングの美人系が好きなのかなー?」
「……っ、アイツ──」
「でも性格は全然違うよなー」
──やめて。
「遥香さんは清楚系で凛音ちゃんは元気ハツラツ系?」
──やめて。
「凛音さ……」
「俺は凛音ちゃんみたいな性格の方が良いけど、桐谷さんはどっちかって言うとテンション的に遥香さんって感じ」
──やめてっ!!
「なぁ、なんであの二人別れたのか知ってる?」
……あぁ。
「今も仲良さそうだし、喧嘩別れじゃねぇよなー」
さっきのは聞き間違いなんかじゃなかった。
“遥香さんが狙われたのって桐谷さんと付き合ってたからじゃねぇの?”
聞き間違いなんかじゃ、なかった……。
「なぁ、気にならねぇ?お前なら知ってんじゃねーの?」
止まらない言葉の数々が容赦なくあたしの思考を遮断していく。
「……俺等は何も聞かされてないから」
「………っ」
抑揚のない千暁くんの声に、クラリ、眩暈がした。
「それに──」
「凛音さん……!」
フラッとよろけたあたしの身体を片手で支えてくれた充くん。
よろけた拍子にお盆が傾き、ぶつかり合ったお皿がカシャンと小さく音を立てる。
「……っ、凛音さん!?」
「ヤベッ、」
音が鳴った直後、室内から聞こえてきたのは二人の焦った声。


