「すみませーん」
コンコンと控え目にノックした後、そろりとドアを開けると、ドアの隙間から部屋の中を覗き見た。
「凛音さん!?」
「凛音ちゃん!?」
振り返った千暁くんと勇介くんが驚いた表情であたしを見る。
遠慮がちに「お邪魔してもいい?」と聞くと、駆け寄ってきてくれた千暁くんが「いいですよ!」と言って部屋の中へ招き入れてくれた。
部屋の中はいつもと変わらず殺風景で。
如何にも男の子の部屋って感じの室内にはそこら辺に雑誌やらバイクの部品やらが落ちている。
三人がテレビの前に座っているところをみると、どうやら皆でテレビを見ていたらしい。
「さっきはどうも~」
千暁くんと並んで歩いていき、充くんと智広くんに向かって頭を下げた。
けど、何故か無反応の二人。
「あの~」
まるで幽霊でも見たかのような表情であたしを見ている二人にそろっと中腰で近付いていく。
「……あ、すみません。ちょっと驚いて」
ハッとする二人にあぁ、そういう事かと納得した。
二人は“リン”姿のあたししか知らない。
だから素のあたしを見て驚いたのだろう。
今のあたしは何処からどう見ても女にしか見えないからね。驚くのも無理はない。
改めて「よろしくお願いします」と二人に挨拶し、此処に来た経緯を皆に話した。
すると、皆は「カレーだ!」と手を叩いて喜んでくれて。
聞きに来て良かったなと思った。


