「冬吾くんありがとー」
「凛音ちゃんありがとーじゃないよ!落ちたらどうするの!危ないだろ!?あーもーびっくりした!」
「ご、ごめんね冬吾くん」
余程焦ったのか、胸を撫で下ろしながらその場にへたり込んでしまった冬吾くん。
どうやら本気で心配させてしまったみたいだ。
「……次からはしないでね?落ちたら総長が発狂するから」
は、発狂って……。
それは流石に大袈裟でしょ。
そう言おうと思ったけど、ここはお口をチャックしておく事にした。
余計な事を言うと何か熱弁されそうな気がしたから。
「で、どうしたの?何か用事あった?」
「うん。カレーね、一杯作ったんだけどみんな食べるかなと思って。冬吾くん達晩御飯食べた?」
「えっ!カレー!?」
何故かカレーという言葉にキランと目を光らせた冬吾くん。
も、もしかして……。
「冬吾くん、カレー好きなの?」
半信半疑で、いや、ほぼ確信していたが一応問い掛けてみた。
すると、分かりやすいぐらい頬を赤らめた冬吾くん。
「いや、まぁうん。いや……」
否定とも肯定とも取れる言葉を歯切れ悪く並べた冬吾くんは恥ずかしそうに視線を逸らた。
その照れた顔が余りにも可愛くて。
「冬吾くん顔真っ赤!」
声を上げて笑ってしまった。
「……凛音ちゃん笑わないでよ」
笑うあたしを見て冬吾くんが強面の顔をむぅと子供のように膨らませる。
その表情がまた可愛くて。
「……どうせ似合わないとか思ってるんだろ」
いつまで経っても笑い続けるあたしに冬吾くんはすっかり拗ね拗ねモード。
イジける冬吾くんに「笑ってごめんね」と謝ると、冬吾くんは「カレー食べさせてくれたら許すよ」と笑顔で答えた。
それにまた笑ってしまったのは秘密だけど。


