Ri.Night Ⅳ


「風呂でも入ってゆっくりしてろ。あ、飯よろしく」


「いっ゙!もうデコピンしないでよっ!」


煌の人差し指が容赦無くあたしのおでこを弾き、ビリッと激痛が走り抜ける。


直ぐ様おでこを押さえ、仕返しと言わんばかりに煌の足を踏みにいくと、サッと足を引いて交わされた。


「バーカ」


ム、ムカツク。


これ見よがしにあっかんべーと出される舌。

当然怒りは急上昇。


「さっさと行きやがれ似非野郎!」


空いた懐に思いっきり拳を入れると、「テメェ…信じらんねぇ」と言って腹部を押さえる煌。


ざまぁみろってんだ!



「じゃ、行ってくるね」


そう言った壱さんは玄関先で手を振り、微笑を浮かべながら出て行った。


煌はと言うと、此処にはもういない。


「帰ったら覚えておけよ!」と何とも古臭い捨て台詞を吐き捨て、先に出て行った。


フンッ。やれるもんならやってみろってんだ。

倍返しにしてやる。





「行ってくる。大人しく待ってろよ」


一人意気込むあたしを見て、はぁ、と呆れたように深い溜め息を吐き出す十夜。


「……っ、」


目が合うと、十夜はおもむろに伸ばした手であたしの後頭部を引き寄せ、小さな衝撃と共に広い胸の中へと閉じ込めた。


回された腕が背中に絡み付き、ギュッと強く包み込む。