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「……オイオイ、思ってたよりも酷ぇな」
「なんでこんな……」
煌の言う通り、倉庫の中は酷い有様だった。
そこら辺にバイクの部品が飛び散っており、地面の至る所に血の痕。
倉庫の端に視線を滑らせれば、此処にいる半数の人達が集まり、倒れていた。
衣服は破れ、顔には青痣。
倒れている殆んどの人達が血を流していて。
苦痛に歪むその表情はとてもじゃないけど直視出来なかった。
……こんなの酷い。酷すぎる。
この世界ではこんなのよくあるって知っているけど、それでもここまでしなくても……。
奴等は武器を持っていた。
その証拠に、地面の至る所に金属バットや鉄パイプ、そして小型ナイフが転がっている。
鳳皇は武器なんて使わない。だから此処にこんな物が落ちている訳がないんだ。
「凛音、見るな」
「……っ、十夜」
不意に塞がれた視界と同時に耳元で聞こえた十夜の声。
視界を遮ったのが十夜の手だと直ぐに分かった。
真っ暗な視界の中、耳に入ってきたのはガチャとドアの開く音と荒々しく閉まる音。
二つ聞こえたところをみると、壱さんと煌、二人共車から降りたらしい。
「凛音」
ドアが閉まったのを合図にそっと外される大きな手。
無くなった温もりに少し寂しさ感じたけど、直ぐに後ろから新たな温もりに包まれた。


