「──充、この後予定は?」
そっぽを向いていた十夜が充くんにそう問い掛ける。
それと同時にギュッと握られた手。
どうやら機嫌は直ったらしい。
「予定、ですか?無いです」
「じゃあ倉庫に来てくれ」
「倉庫に?」
「遥香の事で話がある」
「遥香さんの事?……分かりました」
遥香さんの名前が出た途端、顔つきが変わった充くん。
じゃあまた後で、とあたし達に軽く頭を下げた充くんは、智広くんを連れて繁華街の方へと歩いていった。
「じゃあ俺等は火皇と水皇へ行ってくるな」
充くん達を見届けた後、早々とお店の前に停めてあったバイクに跨がった彼方。
後ろに陽を乗せ、「じゃあな」と手を振って走り去っていく。
「ねぇねぇ。そんなに火皇と水皇ヤバイの?」
駐車場に向かって歩きながら、ふと思った事を問い掛けてみる。
「違ぇよ」
「え、違うの?」
どうやら違うらしい。
じゃあなんで急いでたんだろう。
「車が定員オーバーなだけ」
「車が定員オーバー?……あ」
なるほど。そういう事か。
来る時は全員乗れたけど、帰りはあたしが増えたせいで定員オーバーになっちゃったんだ。
「どっちみち彼方と陽は倉庫へ帰って直ぐに出て行く予定だったからな。此処から行っても問題ねぇ」
「……そっか」
急いでた訳じゃなかったんだね。
傘下の皆が大変な事になってなくて良かった。


