充くん達の前だという事も忘れ、バチバチと火花を散らし合うあたし達。
そんなあたし達をまたもや慌てて止めにくる壱さん達三人。
「凛音ちゃんはちゃんと女の子だから」
「壱さん……」
ね?とキラキラスマイルで頭を撫でてくれる壱さんに何とか怒りが収まってきた。
「フンッ!」
壱さんに免じて引いといてやるよ。
何とか落ち着いたあたしは再び十夜へと目を向ける。
「十夜?」
けど、十夜はそっぽを向いていて知らん振り。
身体を傾けて下から覗き込むと、何故か眉間に一筋の縦皺が。
どうやら機嫌が悪いらしい。
ねぇ、と言って服を引っ張るけど、それでも知らん振り。
……何なんだ一体。
機嫌の悪い十夜は一先ず放っておいて、未だ固まったままの充くんと智広くんへと目を向けた。
「えっと……充くんと智広くん?」
何とも言えない表情であたし達を見ている二人。
「え、あ、すみません」
「いえ……」
何がすみませんなのかよく分からないけど、取り敢えず笑っておこう。
「……ホントに女の人だったんですね。さっきとは別人だ」
『……この声になると人格が変わるんです』
「……っ、凄いですね。男の声にしか聞こえない」
感心したようにゆっくりと息を吐き出した充くんは、珍しいものを見るかのように目を真ん丸にしてあたしを見ている。


