「桐谷さん、奴等は冬吾に頼んで倉庫へ連れて行って貰いました」
「……そうか」
遥香さん達と別れ、十夜の元へとやって来た充くんは真剣な眼差しでそう十夜に告げた。
その眼差しに応えるかのように真っ直ぐ充くんを見つめ返す十夜。
「充。遥香の護衛を今まで通りお前に頼みたい」
「……え?」
放たれたその言葉に目を見開いた充くん。
「護衛って……遥香さんは鳳皇内で桐谷さん達が護るんじゃないんですか?」
そう発した充くんの声は驚愕と困惑が入り交じっていた。
彼が驚くのも無理はない。
だって、この決断にはあたしも驚愕したから。
敵に拉致られそうになった遥香さん。
それは即ち、また拉致られる可能性があるという事。
それなのに、十夜は今まで通りの護衛しかつけないと言う。
人数を増やすと言ってたけど、鳳皇内にいるのが一番安全だという事ぐらい十夜にも分かっている筈なのに。
何故護衛しかつけないのだろう……。
「十夜……」
「えっ!?」
ギュッと十夜の服の裾を掴むと、突然驚きの声を上げる二人。
その声にビクッと両肩がとび跳ねた。
顔を上げると、目が合った充くんと智広くんは何故か驚愕の表情であたしを見下ろしていて。
「あ、さっきはどうも……」
何で驚いているのか分からず、取り敢えず軽く会釈した。


