Ri.Night Ⅳ


大人しく慎とお喋りしていれば良かったのか、と思いたくなるぐらい凄い形相の男達。


そんな形相で追いかけられたら誰でも逃げたくなると思う。


っていうか、あたし最近男に追いかけられてばっかじゃない!?


違う意味で追いかけられるのはいいけど、こんな追いかけられ方は嫌だーー!!


とか何とか言っている内はまだ余裕があるのか。あたしは走りながら後ろを振り返り、男達を観察した。


さっきの男を含め計五人。

まだ何とかなる人数だ。



さて。

コイツ等をどうやって振り切ってやろうか。


いや、それよりも、まだちゃんと工場の場所が把握出来ていない。


さっきの男曰く、この道を下った所に工場があるんだとか。





──あ。

今、ふと“ある言葉”が頭を過った。



『それと、この工場の反対側の道を少し下った所にもう一つ古びた工場がある。何かあったらそっちに逃げなさい』



運転手さんが言ってた工場って、もしかして男が言ってた工場と同じ?


けど、“少し道を下った所”いう曖昧な説明では工場の場所までは分からない。


このまま下って行けば分かるのかな?



……って、あ!!


下り坂を全速力で下っていると左方の斜め下、生い茂る木々の間に何かあるのが見えた。


もしかして、アレ!?