Ri.Night Ⅳ


濃かった白煙は次第に晴れていき、うっすらと床やテーブルが見えてきた。

人影も見える。


『十夜!煌!』


誰だか分からないけど、その人影に向かって呼び掛けた。


『……っ、』

「リン」


白煙から姿を現したのは貴兄と慧くん。


そして──


『貴──っえ?遥香さんと葵さん?』


何故か貴兄の後ろに捕まっていた筈の遥香さんと葵さんがいた。


『なんで!?』


二人は奴等に連れ去られようとした筈じゃ……。



「白煙が上がった瞬間、あの人達、私達を突き飛ばして走って行ったの」


『……突き飛ばして?』


意味が分からない。

奴等は遥香さんを連れ去るのが目的じゃなかったの?

その為に煙幕弾を投げたんじゃ……。


『……じゃあアイツ等は?』


「分からない。でも出入口は一つしかない筈だ」


貴兄が固い声色でそう言い放った時、


「オイッ!どうなってんだよ!!奴等いねぇぞ!?」


陽と彼方が険しい表情で走ってきた。


「奴等がいないってどういう事だよ?」


思いもよらぬ彼方の言葉にその場にいた全員が顔を顰める。



……本当にどういう事なんだろう。

出入口は陽と彼方がいた一つしかないんでしょ?

なのになんで居ないの?

まさか消えたとでも言うのだろうか。





「裏口から逃げたんだよ」