……ちょっと待って。
似てる奴?今似てる奴って言った?
“この顔”で茶髪と言ったら優音しかいない。
それに、データって……。
『お前等の目的は何だ。何故遥香さん達を襲った?』
「あ、無視?無視すんの?性格悪っ!」
コイツめんどくさ。
口を尖らせ、子供みたいにプリプリ怒っている男はあたしに睨みを利かせるとビシッと中指を立ててきた。
……餓鬼か。
構うのも馬鹿らしくなり、男からフイッと目を逸らすと再度キョウとかいう男に目を向けた。
「テメェ、無視すんじゃねぇ!!」
あたしの態度に怒りが爆発したのか、一人でキーキー喚き散らす馬鹿男。
あぁもう、面倒臭い。
男は放っておいて、キョウとかいう男に再度問い掛ける。
『もう一度聞く。何故遥香さん達を襲った』
「何故?あぁ、お前は獅鷹の人間だから知らないのは仕方ないな」
ククッと肩を揺らし、意味ありげに笑った男はストンとテーブルから下りると此方へ向かって歩いてきた。
『……どういう意味だ』
「さぁ?どういう意味だと思う?」
『チッ』
揃いも揃ってイラつかせる奴等ばかりだ。
「まぁそうイラつくなよ」
舌打ちをしたあたしに男は片目を細めると、顔を伏せ、小さく肩を揺らす。
お前のせいだろ、とツッコミたかったが、もうそれすらも面倒臭い。
下手に食いつくと余計に調子乗りそうだ。


