Ri.Night Ⅳ


「十夜……」

「……あぁ」


繋いでいた手を互いに強く握り締める。


十夜は今、心の中で目一杯噛み締めているのだろう。


このチームの総長で良かったと。

みんなと出逢えて良かったと。


心からそう思っているに違いない。


あたしも、思ってる。


皆に出逢えて良かったって。

仲間になれて良かったって。


心の底からそう思ってる。




「ありがとう。お前等には本当に感謝している。

そして、“鳳皇”というチームの総長になれた事を誇りに思ってる」


そう言った十夜の口元には小さな笑みがあった。


それは十夜の想いが込められた笑み。


その笑顔を見た皆は顔を見合わせると嬉しそうに笑った。



「総長ー!」

「総長最高!!」


倉庫内に響き渡る総長コール。

皆の笑顔に胸が熱くなる。


あぁ……十夜はこんなにも皆に愛されてるんだ。


こんなにも尊敬されてる。


今までにも幾度となく感じてきた絆を改めて感じた瞬間だった。



「俺には護るべきものが出来た。コイツを……東條 凛音を“鳳凰妃”として一緒に護って欲しい」


そう言った十夜はあたしの肩を静かに抱き寄せた。


十夜の視線がメンバーからあたしへと移る。



「今日からお前は“鳳皇”の“妃”だ。ここに居る皆でお前を護ってやる」


祝福の言葉が飛び交う中、十夜の優しい声色があたしの鼓膜を刺激した。


甘い甘い誓いの言葉。


あたしはその言葉に返事をする。



「ごめんね、十夜」と。