「……っ」
「あーあ、泣いちゃったー」
「お前等、凛音泣かすなよー」
彼方と陽が泣いたあたしを見て鳳皇メンバー責める。
けど、それは本気で怒った口調ではなく笑いながらで。
そんな彼方達に鳳皇メンバーは少し焦りながらも「凛音ちゃん泣かないでー」と言って笑ってくれた。
「ったく泣いてんじゃねーよ」
呆れた表情でガシッと頭を掴みにきた煌がわしゃわしゃと頭を撫で回してくる。
「凛音ちゃん、笑って。ね?」
その手をさらりと払い、代わりに優しく撫でてくれた壱さん。
手を払われた事に傷付いたのか、煌はぶつくさと呟き、拗ねている。
そんな二人のやり取りにクスリと笑みが零れた。
「──俺からも感謝と謝罪の言葉を言いたい」
おもむろに吐き出されたその言葉にピタリと歓声が止んだ。
発したのは十夜。
再び倉庫内に静寂が訪れる。
「凛音を取り戻せたのはお前等のお陰だ。簡単な説明だけで凛音を捜すように命じ、お前等を振り回した。中には納得のいかなかった者も居ると思う。悪かった」
そう言った十夜は少しだけ頭を下げる。
「……っ、総長!顔を上げて下さい!」
「凛音さんを捜しに行ったのは自分の意思です!」
「総長!」
「捜してたのはみんな凛音ちゃんに戻って欲しいからです!命令されたからじゃない!」
十夜が頭を下げた途端、まるで爆発でもしたかのように放たれる言葉の数々。
その言葉はどれもこれも強い意思を持ったものだった。


