「あたし、鳳皇と獅鷹が敵対しているのを知ってたの。知ってたのに黙ってた。
……ごめんなさい。自分勝手でごめんなさい。助けに来てくれたのに、“ありがとう”も“ごめんなさい”も言わずに消えてごめんなさい!」
「凛音ちゃん……」
「凛音さん……」
「嬉しかった。皆があたしを捜してくれてるって聞いた時、嬉しかった」
嬉しかったの。
本当に本当に嬉しかった。
戻れないと分かってても、あたしの為に時間を割いて捜してくれているという事が嬉しかった。
「ありがとう。迎えに来てくれてありがとう。許してくれて、本当にありがとう……!」
言えなかった謝罪の言葉と感謝の言葉を、一つ一つ心を込めて伝える。
「此処に戻って来れて嬉しい。皆の元へ戻って来れて本当に嬉しい。これからもよろしくお願いします!」
そう締め括り、最後にもう一度深く頭を下げた。
「凛音ちゃんーこれからもよろしくー!」
「……っ」
頭を下げてすぐに投げ掛けられた言葉。
ゆっくりと頭を上げると、飛び込んできたのは皆のとびっきりの笑顔だった。
「帰って来てくれてありがとー!」
「凛音さーん!」
「鳳皇、凰妃バンザーイ!!」
口々に投げ掛けられる言葉に胸が詰まる。
手を振ってくれる人、ピースをしてくれる人。
中には拍手してくれる人もいた。


