Ri.Night Ⅳ


「アイツ等、はしゃぎすぎだろ」

「まぁまぁ、そう言うなって。分かってても嬉しいモンは嬉しいんだよ」

「……だな」


煌の肩に手を乗せ、苦笑する彼方に煌も呆れ混じりに苦笑し返す。


壱さんと陽は顔を見合わせ、嬉しそうに笑っていた。



まるで自分の事のように喜んでくれる皆。



どうしてそんなに優しいんだろう。


あたしは皆を裏切ったのに。


皆を裏切って去ったのに。




「凛音?」


ぎゅっと十夜の手を握り締める。


駄目だ。あたしはまだ肝心な事を言ってない。


謝らなきゃ。

皆に謝らなきゃ。


そして、“ありがとう”って言わないと。


じゃないと“鳳凰妃”にはなれない。


ううん。なっちゃいけない。


皆に、ちゃんと謝罪と感謝の言葉を言わなきゃ。


決意を込め、きゅっと唇を噛み締める。


そして、


「みんなっ!!」


声を最大限に張り上げ、皆を呼んだ。


男しかいないせいか、女の声はよく目立つ。


歓声がピタリと止み、皆一斉に此方へと振り返った。


あたしを見たのは鳳皇メンバー、傘下の人達だけではない。


両隣にいた煌達もあたしを見て驚いていた。



皆の視線があたしに集中する。


妙な緊張感が漂う中、意を決して口を開いた。


「皆ももう知ってると思うけど、あたしは獅鷹総長の妹です。ずっと黙っててごめんなさい」


そう謝罪の言葉を口にし、深く頭を下げた。