「……っ」
「お前の特攻服とこの特攻服に誓う」
「十夜……」
「行くぞ」
「ちょ……!」
頬に添えられていた右手があたしの左手を掴み、引き寄せる。
突然ドアに向かって歩き出した十夜はドアノブに手を掛けたかと思うとおもむろに振り向き、
「特攻服だけじゃない。アイツ等の前でも誓ってやる」
そう言ってドアノブを回した。
寝室から出ると煌達四人は準備万端だとでも言いたげに立っていて。
部屋から出てきたあたし達を見てニヤニヤと含み笑いをしていた。
「遅っせぇよ」
そう言った煌は持っていた特攻服をひったくり、あたしの肩に掛ける。
「お前がそれ着ねぇと意味ねぇだろうが」
「煌……」
「はい、りっちゃん腕通して~」
「か、彼方苦しい」
っていうか痛い。
彼方に腕を引っ張られ、ウッと声を上げる。
「彼方!乱暴にしたら駄目だろ!」
そんな彼方を壱さんが叱咤し、代わりにあたしの手を取った。
どこまでも紳士な壱さんに「自分で着れるから大丈夫だよ」と言って手を振り、自分で特攻服を着る。


