Ri.Night Ⅳ


「聞こえなかった?どっか行ってって言ったの」


「テッメェ……!」


掴んだ男の腕に力が篭る。


あたしを見る男の目は怒りに満ちていて。

その瞳は最早女に向けるものではなかった。


けど、そんな睨み、あたしには効かない。


「あたしはそこら辺にいるか弱い女じゃないの」


そう言うや否や掴んでいる手を思いっきり捻り上げる。


「大人しく行って。分かった?」


「……っ」


分かった、とは言わない。


けど、あたしは男の腕を離した。


男の瞳が“分かった”と言っていたから。



「……チッ」


離した途端走り去っていく男達。


「はぁ……」


やっと消えてくれた。



「オイコラ」


「いだっ!」


溜め息を吐いた瞬間、登頂部に落ちてきたのは煌の鉄拳。


余りの痛さに登頂部を押さえて蹲る。


「お前さっき兄貴と“危ない事しない”って約束したばっかじゃねぇのかよ」


「……ゔっ」


痛いところを突かれ、言葉が詰まった。


だってさ、あたしが言うのが一番いいと思ったんだもん。


煌もそう思ったんだから止めなかったんじゃないの?





「……あの」


むぅ、と不貞腐れていると、背後から呼び掛けられた。


振り向くと、後ろにいたのは遥香さんと葵さん。


この姿で遥香さんと逢うのは二度目だけど、葵さんとは初めてで。


なんか、妙に緊張する。