Ri.Night Ⅳ


「ホラ、行こうぜ」

「ちょ、やめ──」

「お、オイ!アレ……」

「あ゙?……っ」


遥香さんの腕を無理矢理掴んだ男が仲間に促され、こっちを振り向いた。


瞬間、一気に青ざめた男。


どうやら男は十夜達を知っていたらしい。


その男の傍らに立つ遥香さんへ目を向けると、遥香さんは十夜を見て驚いていた。


それと同時にさっきまで恐怖に満ちていた瞳に安堵の光が灯る。


っていうか今気付いた。

遥香さんの右隣で隠れるように身を縮めている葵さんの存在に。


まさか葵さんまでいたなんて。

小柄だから見えなかったんだ。


そう、だよね。

一人でこんな所にいる訳ないよね。


この二人ならそりゃナンパもされるだろう。



「……何でコイツ等が……っ」


「………」


動揺を隠せない男とは反対に無表情を貫く十夜。


いや、無表情ではない。

漆黒の瞳に宿るのは怒りの灯火。



怒ってる。

十夜が遥香さんを連れて行こうとする男達に対して怒ってる。

遥香さんを心配して怒ってる。


チクリ。胸の奥が痛む。






「無理矢理とかダッセー」


怠そうに首を回しながら男達に向かってそう言い放ったのは煌で。


煌は男達に目を向けず通り過ぎると、店頭に並んでいる漫画雑誌に手を伸ばした。


そして、パラパラと捲る。