Ri.Night Ⅳ


「あたしも、嬉しい」


皆と帰れて嬉しい。

本当に、心の底からそう思ってる。



一度は離れた場所。

何のお別れもしないまま離れていった場所。


あの場所に足を踏み入れる事は無いと思っていた。


大好きだったあの場所へ再び戻れる日が来るなんて……そんな夢みたいな事絶対無いと思ってた。


だから、


「皆と帰れて嬉しい」


嬉しくて嬉しくて仕方ない。






「──凛音」


キュッと握られた手。

その手と共に響いたのは、優しさを含んだ重低音の声。


その声に振り向くと、いつもより一際輝く漆黒の双眸に囚われた。


「十夜?」


その甘美な瞳に囚われたら最後、自分からは逸らす事なんか出来ない。




「あの“籠”に戻ったら、絶対“外”には出してやらねぇ」




真っ直ぐな、そして、有無を言わさない強い瞳。

その揺るぎない瞳に囚われる。


“籠”……。


それはあたしにとって唯一無二の場所。

あたしが帰りたいと切に願っていた場所。



「出ろって言われても出ないよ、絶対」



その場所から出たいなんて絶対に思わない。





「──上等だ」


「わっ……!」


緩やかに引き上げられた口元。


その笑顔を捉えた瞬間、握られていた手を思いっきり引っ張られた。