Ri.Night Ⅳ


「ホラ、優音。いつまでも拗ねてないで早くこっち来い」


あたしの後方へと視線を向けた貴兄が手を高く上げて手招きする。


その手に振り返ると、


「優音……」


振り返った先にいたのは俯いたまま此方へと歩いてくる優音の姿。


余り喋らないと思ってたら拗ねてたのか。



「優音、そんなに拗ねないでよ。寂しいじゃん」


「………」


「あたしも遊びに来るから優音も来て。ね?」 


下から覗き込むようにしてそう言うと、「……うん」と優音が頷いた。


まだ機嫌が直りそうにない優音に苦笑しながら歩み寄ると、そっと両手を伸ばして抱きしめた。


あたしも逆の立場ならきっと寂しくて拗ねてるんだろうなぁ。



「優音、大好──」


「優音ばっかずりぃ!兄ちゃんも仲間に入れろ!」


「ぐぇ」


「グッ……、ちょ……!」


突然覆い被さるように抱きしめられ、ヴッと呻き声を上げるあたしと優音。


……いや、優音と抱擁してるといつも貴兄が乱入してくるけどさ。

別に乱入はいいのよ。

けどね、力が強いの。

そりゃあもう半端なく。



「……オイ、馬鹿兄弟。此処でイチャつくのは止めろ。みんな引いてっから」


そんな事言われても!

っていうかそう言うんなら貴兄を離してよ!


「オラ、貴音離れろ。ったくお前等は凛音と別れる度その抱擁すんの止めろっつーの」


「いいじゃねぇか。兄弟愛を確かめてんだよ。な?凛音、優音」


「あぁ」


って頷くの!?