「楠木、お前ワザとやってんだろ?」
「貴兄?助けて!この馬鹿今すぐ離してー!」
すぐ傍で貴兄の声がして、直ぐ様助けを求める。
「あ、分かる?お前も弄りたくなる気持ち分かるだろ?」
「あぁ。見ろよ、アイツすっげぇ睨んでんぜ?」
「ちょっとー!」
あたしそっちのけで会話を続ける二人に声を張り上げるけどまたまた無視。
貴兄まであたしを無視するなんて……。
ガックリと肩を落としながら二人の視線を辿っていくと……。
こわっ!!
鋭い目付きで此方を見ている十夜がいて。
倉庫の入口の壁に凭れ、怒りを表すように腕組みをしている。
分かんない。分かんないよ十夜さん!
なんでそんなに機嫌が悪いの!?
「こ、煌、先行ってよ」
「なんで?お前十夜を追い掛けてたんだろ?お前が行けよ」
「や、遠慮します。コワイもん」
煌の背中を押したがするりと交わされ、逆にあたしが押される。
ちょ、ホント無理!コワイもん!
すっごい睨んでるじゃん!
今近付いたらあたしの命が……!
「凛音、俺等も行くからそんなビビんなって。っていうかお前なんで桐谷が機嫌悪ぃのか分かんねぇのかよ?」
「え、貴兄は分かるの!?」
あたし全然分かんないんだけど!
「おま……、あぁーアイツも苦労するねぇ」
「だろ?ナイスな組み合わせじゃね?お陰でこっちは楽しませて貰ってるけど」
「……お前、性格悪いな。でもまぁ、嫌いじゃねぇよ。そういうとこ」
「そ?同盟組んだついでに弄り同盟も組んどくか?」
「お前コワいもの知らずだな」


