気持ちの整理なんてとっくの昔に出来てる。


「ずっと好きだったのっ……」


言いたくて言いたくて仕方なかった想い。


「十夜が、好きっ……」


伝えたくて堪らなかった。


「好き……っ」


ずっと言いたくて堪らなかった。





貴兄が迎えにきたあの時、あたしは十夜への想いを封印した。


叶わないと思ったから。

逢えないと思ったから。


もう逢っちゃいけないと思った。


この想いを永遠に封印して。

けど、十夜を忘れる事なんて出来ないから、十夜だけを想って生きていこうと決めた。


何度も何度も再会と別れを繰り返し、その度十夜を傷付けた。


それでも十夜は言ってくれたんだ。


“好きだ”って。

“迎えに行く”って。


そう、言ってくれた。



傷付けたあたしを好きだと言ってくれる十夜に伝えたいと思った。


叶う筈がないと諦めたこの想いを、

伝えられると思っただけで涙が溢れてくるこの熱い想いを、精一杯十夜に伝えたいと思った。



「好きだよっ。ずっと、ずっと前から十夜が好きだったっ……!」


こんなにも好きなんだって、

好きで堪らないんだって十夜に伝えたかった。



「大好──っ」


「もういい」