Ri.Night Ⅳ



『……“神”か。神は神でも奴は“悪神”だな』



かつて仲間だった“D”を思い出しながら皮肉混じりにそう零す十夜。


鋭い光を放つ漆黒の瞳は、かつての仲間に向けるものではない。


奴等は、鳳皇と獅鷹を狙う敵。

鳳皇に牙を向ける者に容赦などしない。


例えそれが仲間だった者達だとしても。




『──“悪神”か。上手い事言う。お前らにとったらアイツは悪以外の何者でもないな』


クククと愉しそうに肩を揺らす中田から視線を外した十夜は、『そろそろ行く』と言って踵を返した。



『──桐谷』



中田に呼び止められて十夜が足を止める。


再び中田へと視線を滑らせれば、中田の口元からはもう笑みは消え失せていた。

あるのは真剣みを帯びた瞳だけ。



『凛音のこと──…』













「──桐谷?」


「……いや、何でもない。……これが中田と話した一部始終だ」


貴音の呼び掛けで少し肩を揺らした十夜は、陰りを帯びた瞳で貴音を見据えた。


鋭い貴音は十夜の変化に気付いたが、中田との会話を思い出しただけだろうと思い、深く突っ込まなかった。



「……まさか“D”が“白狼”だったなんてな」


溜め息混じりに吐き出されたその言葉。


その言葉に返事する者はいなかった。


各々難しい表情を浮かべて何か考えている。