『番号は教えても意味ねぇから居場所だけ教えてやる。運が良ければ見つかるかもしれねぇしな』
『……あぁ、助かる』
十夜は軽く頷くとゆっくりと身体を起こした。
同様に中田も背凭れへと背中を預ける。
『お前も知ってると思うがアイツ等に特定の溜まり場はない。だが、よく使っている場所がある。
“港のシバサキ工場跡”、“白波区のBAR《シエル》”、“右京区のゲーセン《ミナミ》』
『シバサキ工場跡、シエル、ミナミ……』
『そう、それがアイツ等のよく溜まっていた場所だ』
『……そうか』
頭にインプットさせる為一つずつ口ずさんでいく十夜は同時にこれからの対処法を考えていた。
『中田、“D”のトップは“白狼”の時と変わらずアイツか?』
背中から感じる凛音達の視線。
これ以上遅くなると不審がられる。
そう思った十夜は最後に一つだけ問い掛けた。
『そうだ。“D”の正式名は“Dark Lord -ダーク ロード-”』
『……ダークロード』
“Dark Lord”
それは“悪の権化”という意味。
簡単に言えば“悪魔、魔王、サタン”。
『悪に染まりきったという事か』
『そうなるな。あともう一つ。アイツは今、“シン”と名乗っている』
『……シン?』
以前とは全く違うその名前に十夜は顔をしかめずにはいられなかった。
『“シン”は“神”と書いて“シン”と読む』


