Ri.Night Ⅳ


両者共、相手が何者かも知らずに始めた喧嘩。


一対五とはいえ、遊大は獅鷹幹部。ほぼ五角と言えた。



勝敗を決めたのは鳳皇側の人間による一撃。


けれど、それは素手ではなく一本の木片だった。


頭に血が上っていた男はたまたま足元に転がっていた木の棒を拾い上げ、倒れている遊大目掛けて振り下ろした。


それが膝に直撃。


男は別にそこを狙った訳ではなかった。


仲間が上半身を蹴っていたから空いていた下半身を狙っただけのこと。


それがトドメとなった。


尋常ではない痛みに遊大は反撃する事が出来ず、最終的には袋叩き。


結果、様々な部位を損傷した。


打撲、骨折、断裂。


通行人に発見された時にはもう、見るに耐えない姿だったという。


後にこの事件を知った獅鷹は鳳皇を襲撃。


その襲撃で十夜が怪我を負った。



これが獅鷹と鳳皇を引き裂いた“原因”


互いに敵視する“理由”だった。



「少しでも悪いと思ってくれてるのなら俺はそれでいい。これから獅鷹と鳳皇は深い付き合いになっていくんだ。昔の事はもう忘れる。だからそっちも気にしないでくれ」


「………」


「何か言いたい事でもあるのか?」


吹っ切れたような笑みを浮かべる遊大に反して、何故か表情を曇らせる十夜。


それを敏感に察知した貴音は眉を引き寄せて問い掛けた。


それでも無言を貫き通す十夜に今度は煌が問い掛ける。


数秒の沈黙の後、十夜の口から出たのは驚愕の言葉だった。






「──“D”の正体は河原を怪我させた奴等だ」