そんな……。
真実を知った瞬間、胸の奥底から罪悪感が一気に押し寄せてきた。
身体中を物凄い速さで駆け巡り、支配していく。
「凛音が宮原と、いや、鳳皇と再会した事で再びチャンスが巡ってきた」
……え?
「『手を組む件、少し返事を待ってくれないか』」
「……っ」
「そう言われたよ」
……そんな。
じゃあ、この抗争の引き金になったのはあたし……?
あたしが陽の元へ行ったから……。
「その日は保留のまま帰っていった。けど、いずれいい返事が貰えると思ってたよ。
獅鷹はその日から鳳皇の見張りを強化したからな」
あ……。
その言葉を聞いた瞬間、一つの疑問が解けた気がした。
あの日。
鳳皇と再会した“あの日”
貴兄はあの日から家に帰って来る事が少なくなった。
帰って来てもすぐにまた出て行く。
あの時は別に何とも思わなかった。
ただ、前から揉めているチームと何かあったんだなと軽く捉えていただけ。
それがまさか鳳皇だったなんて……。
そんな事、思いもしなかった。
「協力するという返事を貰えたのは、それから数日後の事だった。思ったよりも早かったから驚いたよ」
「………」
「……なぁ。協力するにあたって何が決定打になったか分かるか?」
……決定、打?
意味ありげに含み笑いをする中田に疑問が浮かぶ。


