Ri.Night Ⅳ


「帰って来るよ。っていうか優音も来てよ」


「……うん」


板挟みにされている貴兄と抱き締められている優音。


奇妙な体勢にも関わらず二人からは文句の一つも出ない。


まぁ、あたし達からすればこんなの日常茶飯事だからね。今更と言ったら今更だ。





「……クッ、ククク……」


「貴兄?」


いきなり笑い出した貴兄に優音と二人して驚く。


ポンポンと背中を数回叩かれかと思えば、


「凛音、そろそろ離さねぇと俺睨み殺されそうだ」


「へ?」


突然意味不明な事を言われた。


目を見合わせて首を傾げるあたしと優音ちは反対に、クククと喉の奥で笑う貴兄は自棄に愉しそうで。


優音を離して貴兄からも離れると、


「そんな睨むなよ。これは俺等のスキンシップなんだから」


そう言った貴兄が再びあたしの身体を引き寄せた。


……貴兄、なんか愉しんでない?



「貴音、あまりからかうなよ。面白すぎるから」


不意に聞こえてきたその声に顔を上げると、ゆるりと口元を緩めた嵐ちゃんと目が合った。


面白すぎるって……。


「だってあの桐谷がこうなるんだぜ?弄りたくもなるだろ」


「まぁそうだけどよ」


こうなるって何?


二人の会話が気になって貴兄から無理矢理離れる。


くるりと後ろを振り返れば、視線の先には明らかに拗ねているであろう十夜の姿があった。