「なんで此処に……」
「見たかったから。あと届け物」
「は?」
見たかったから?届け物?
その言葉に首を傾げると、凌は一度ぐるりとソファーを見回した後、貴兄の元へ寄ってきた。
そして、これ、と言って封筒を差し出す。
「サンキュ」
その封筒を受け取った貴兄は中から数枚の紙を取り出し、上から下まで視線を滑らせた。
「ねぇ凌、見たかったからって何?」
ぶっちゃけあたしは封筒の中身よりそっちの方が気になった。
何が見たかったの?
ちゅーとジュースを吸いながら凌からの返答を待つと、
「大野 彼方がどんな奴か見たかったんだよ」
「………は?」
凌の口から思いもよらぬ言葉が飛び出した。
え、彼方?なんで?
一瞬聞き間違いかと思ったけど、彼方も「え、俺?」と言っているところをみると、どうやらそうではないらしい。
「彼方を見たかったの?彼方なんか見ても何もないよ?」
「ちょ、りっちゃん酷ぇ!」
後ろで何か言ってるけど無視だ無視。
今、目を合わせると色々面倒臭そうだし。
「は?お前知らねぇの?」
「何が?」
眉を引き寄せ、有り得ねぇ、とでも言いたげにあたしを見下ろしている凌に首を傾げる。
なになになに?何かあるの?
凌の表情に変な期待が沸き上がる。
ちゅーとジュースを吸い上げながら瞬きを数回繰り返したその時。
「大野 彼方は全国模試で貴兄とトップを競い合ってる奴だぜ?」
「ブハッ!!」
凌の口からとんでもない言葉を吐き出された。


