「さすがりっちゃん……」
「はぁ……」
「慎のヤツ散々な目にあったんだな」
「ご愁傷様としか言い様がない」
鳳皇メンバー、獅鷹メンバーの両者から口々に責められ、身が縮こまるあたし。
毒舌王煌ママと大魔王十夜様からはもう深い溜め息しか頂けなかった。
何も言われないのが逆に怖いんですけど。
って言うか、それならそうともっと分かりやすく言ってよ。慎の馬鹿……。
「後で慎に電話入れとけ」
「うん、入れとく!」
「後でいいから」
「……あい」
逃げるチャンスだ、と言わんばかりに立ち上がったあたしの腕を直ぐ様引っ張った貴兄。座るよう促され、渋々座り直す。
……ちぇ、失敗。
ストンと座ったあたしは、またもや皆の餌食になった。
……うぅ。そんな目で見ないでよ。
皆の冷ややかな視線がそれはもう痛いぐらいにブスブスと突き刺さって。
逃げるチャンスを失った今、この視線から逃れるにはひたすら俯くしかなかった。
「………」
カチカチカチ、と規則的に動く秒針の音。
その音が自棄に響いて聞こえるのは気のせいだろうか。
いや、きっと気のせいなんかじゃない。
だって、この息苦しさ半端ないもん。
次第に耐えられなくなってきたあたしは、視線から逃げるようにグラスを手に取り、ストローをくわえて大好きな梅ジュースを勢いよく吸い上げた。
誰でもいいから喋ってよ……。
沈黙が耐えれないんだってば!
そう思った時、背後でドアが開く音がして。
「何?このギスギスした空気」
聞き知った声が室内に響いた。
その声に振り返ると、
「凌!?」
「よ。久し振りだな、凛音」
開かれたドアの前に居たのは、真紀さんの息子、凌。


