Ri.Night Ⅳ


「ったく、なんでいっつも俺ばっかり咬みついてくんだよ、イタチ」


「嵐がイタチって言うからだろ?」


「あ、時人くん!」


嵐ちゃんの後方から姿を現したのは苦笑している時人くん。


「はい、凛音の」


「わーありがとー!」


手渡されたグラスの中には大好物の梅ジュース。


流石時人くん。あたしの好みよく分かってるー!


ジュ-スを一口だけ飲み、「行こ、陽」と言って陽の手を引く。


「凛音はココ」


そう言って貴兄に促されたのはソファーの左端。貴兄の隣。



うちのソファーは分かりやすく言うと凹のカタチになっていて、凹の左下と右下が人一人分通れるぐらい空いている。


あたしの位置は凹のカタチで言うと底辺部分。


その底辺部分の一番左があたし。あたしの隣が貴兄で、その隣が優音。


凹の左側のソファーにはあたし寄りから十夜、その左に煌。


そして、彼方、壱、陽と続く。


一方、凹の右側のソファーには優音寄りに慧くん、その右隣に遊大、嵐ちゃん。そして時人くん。


一応このソファーは五人掛けソファーなんだけど、ここにいる男達はみんなデカイからか、窮屈そうに見えて仕方ない。


まぁ、これだけの人数がソファーに座れただけマシだけど。