Ri.Night Ⅳ



その後は特に問題なく進み、さっきまでいた倉庫に無事到着。


「うわー見事に塞がれてる……」


倉庫の扉に見事に挟まれているのは鉄パイプ。


それは倉庫だけではなく、隣の工場の窓や扉にもしっかりと挟まれていた。


中には木片も幾つかあったけど。


それにしてもあのパイプ、どっかで見たような気がするんだけど……どこで見たっけ?


うーんと首を傾げながら扉に近寄って行くと、パイプを外す前にトントンと数回扉を叩いた。


その後、彼方がパイプを掴んで引っ張る。


カランカランと軽快な音を立てて転がるパイプを横目に、壱さんと陽が左右にゆっくりと扉を開けた。



「やーっと来た。お前等何処まで行ってたんだよ!」


開口一番にそう文句を言ってきたのは煌で。


よっぽど待ちくたびれたのか、仁王立ちで腕を組んでいた。


険しい表情がとてつもなくコワイ。



「煌、俺留守番してれば良かった……」


「……はぁ?」


倉庫に入るなり突拍子もない事を言い出す彼方。


「お前何言ってんだ?」


押したら簡単に倒れそうなぐらいフラフラしている彼方を見て、煌が怪訝な顔をする。


……ちょっと、風向きが怪しくないかい?


「りっちゃんの言ってた道は超デンジャラスだったよ……」


ちょ……!


馬鹿なたの野郎が余計な事を言いやがった。


「……超デンジャラス?」