その後は特に問題なく進み、さっきまでいた倉庫に無事到着。
「うわー見事に塞がれてる……」
倉庫の扉に見事に挟まれているのは鉄パイプ。
それは倉庫だけではなく、隣の工場の窓や扉にもしっかりと挟まれていた。
中には木片も幾つかあったけど。
それにしてもあのパイプ、どっかで見たような気がするんだけど……どこで見たっけ?
うーんと首を傾げながら扉に近寄って行くと、パイプを外す前にトントンと数回扉を叩いた。
その後、彼方がパイプを掴んで引っ張る。
カランカランと軽快な音を立てて転がるパイプを横目に、壱さんと陽が左右にゆっくりと扉を開けた。
「やーっと来た。お前等何処まで行ってたんだよ!」
開口一番にそう文句を言ってきたのは煌で。
よっぽど待ちくたびれたのか、仁王立ちで腕を組んでいた。
険しい表情がとてつもなくコワイ。
「煌、俺留守番してれば良かった……」
「……はぁ?」
倉庫に入るなり突拍子もない事を言い出す彼方。
「お前何言ってんだ?」
押したら簡単に倒れそうなぐらいフラフラしている彼方を見て、煌が怪訝な顔をする。
……ちょっと、風向きが怪しくないかい?
「りっちゃんの言ってた道は超デンジャラスだったよ……」
ちょ……!
馬鹿なたの野郎が余計な事を言いやがった。
「……超デンジャラス?」


