「あたしも皆と行きたい!」
久しぶりにするキラキラビーム。
いつもより瞬きの回数を多めにしてみると。
「……凛音ちゃん、俺が凛音ちゃんの“お願い”に弱いの知っててやってるでしょ?」
効果は絶大だった。
あたしのお願いに「参ったなぁ…」と困り果てた様子で苦笑する壱さん。
けど、最終的には「分かったよ」と言って頷いてくれた。
ごめんね、と思いつつも、これだけは譲れないから、「やったぁ!壱さんありがとう!」と素直に喜ぶ。
「凛音ちゃん、いいよー!」
「はーい!じゃあ行っきまーす!」
こっちに向かって両手を広げる壱さんにあたしも同じく手を挙げて走り出す。
何故壱さんが両手を広げているのかと言うと、それが“跳ぶ条件”だから。
壱さんは跳ぶ事に了承してくれたものの、やっぱり不安だからと一つの条件を出してきた。
それは、先に壱さんが跳んで向こう岸で待つ事。
何かあった時の為らしい。
ホント心配性だよね。壱さん。
「凛音ちゃん!」
軽々と飛び越えたあたしに駆け寄って来てくれる壱さんは心底安心しているようで。
「ね?楽勝だったでしょ?」
そう言ってニカッと笑ってみせる。
「そうだけど、でも、跳んだ瞬間焦ったよ~」
苦笑しながら胸を撫で下ろす壱さんに「心配かけてごめんね」と謝る。


