「──俺達は“D”」
「………っ」
一人じゃ、なかったの?
突如男の背後から新たに現れたのは二人の男。
先に出てきた男と同様、二人共キャップを被っていて顔は見えない。
……コイツ等が、“D”?
「俺達を潰したと思ったか?」
「………」
「残念だったな」
顔は見えずとも、その口調でこの状況を愉しんでいるのが分かる。
込み上げる悔しさ。
ギリっと唇を噛み締め、拳を震わせる。
『アンタ達の目的は何?』
あまりの悔しさに必然的にリンの声へと変わった。
それを聞いた後ろの男が「ヒュ~」っと煽るように口笛を鳴らす。
「……目的、ねぇ。そこにいる腰抜けの後始末、かな?」
腰、抜け?
男が指差したのは地面に片膝をつけて蹲っている中田。
コイツ、仲間を腰抜け呼ばわりするの?
しかも後始末って……。
「……それと」
それと?
紡がれようとするその口元を見てグッと眉を引き寄せる。
「鳳皇と獅鷹を潰す事?」
「なっ!?」
男から発せられた言葉に小さく身体を揺らし、最大限に目を見開いた。
なんで……。


